【読書】 なぜ、間違えたのか?:人が心理的に間違いやすいところ 51個

1: 無名の管理人 ID:kanri
ロルフ・ドベリ著「なぜ、間違えたのか?」を読みました。
なぜ、間違えたのか?
ロルフ・ドベリ
サンマーク出版
2013-09-10


2: 無名の管理人 ID:kanri
本書は、人間の心理的に間違いやすいところを、52の章に分けて整理した本です。
※「確証のワナ」だけは、2章にまたがっているので、全体的には51個の紹介です。

分かりやすいところでいうと、「サンクコストのワナ」などは有名だと思います。

本書では、他に「スイマーズボディ幻想のワナ」や、「いったん悪化してからよくなるのワナ」など、
面白いネーミングの心理的落とし穴も紹介されています。

3: 無名の管理人 ID:kanri
著者は、最近では「think clearly」などで有名になったロルフ・ドベリです。
小説家でもあり、経済界にも人脈のある彼独自の視点で、書かれています。

とはいえもちろん、紹介されている心理実験については、きちんと裏が取られています。

巻末に、参考文献として列記されていますので、
もし疑わしいというところがあれば、きちんと文献を追うことができるようになっています。

4: 無名の管理人 ID:kanri
さて、本書の特徴は、挿絵だと思いました。
とりあえず見てもらうのが分かりやすいと思います。

名称未設定

5: 無名の管理人 ID:kanri
独特な画風ですが、これが逆に分かりやすくて、記憶に残ります。
上に引用した事例は、第46章で紹介されている、「自己奉仕のワナ」の挿絵です。

ここでは、5人の若者が住むシェアハウスが舞台です。
彼らに、「あなたは、ごみ捨てを何パーセントぐらいの割合でやってますか?」と問います。
ある人は、「2回に1回ぐらいかな」と答え、
別の人は、「60%くらい」、また別の人は、「80%くらい」と答えます。

全部を足すと、100%を超えるので、「誰かが(おそらくみんなが、少しずつ)間違っている」わけです。

6: 無名の管理人 ID:kanri
どうしてこういうことになるかというと、
自分がやったことに対しては、
通常よりも大きく見積もられてしまうという
心理的な落とし穴があるからなのです。

これが、自己奉仕のワナです。

7: 無名の管理人 ID:kanri
こんなような事例が、51種類、52章にわたって解説されていきます。
著者は小説家なので、書きぶりはかなり平明です。

その場所の状況や、会話などもこなれているので、
読みやすいと思います。

やや分厚いものの、それだけに情報量は抜群です。
面白いので、ぜひ読んでみてください。

8: 無名の管理人 ID:kanri
本書は、その後「think right」として再刊されました。



ただし、こちらには挿絵がなくなってしまいました。

think rightの方は、デザインがシンプルになって、
洗練された感じにはなりましたが、
個人的には「なぜ間違えたのか」の方が良かったのになぁと思います。