【読書】 精神科医が、過度なストレスへの対応方法を網羅的に書き尽くした

樺沢紫苑著「ストレスフリー超大全」を読みました。

本書は、精神科医でもある著者が、
ストレスフリーの原因や対応方法を
網羅的にまとめたものです。

かなりボリューミーだと思います。

同じ著者の
インプット大全、アウトプット大全などに続く、
大全シリーズのひとつになっています。

===


さて、本書はそれぞれの見出しに対して、
キーワードがセットになって紹介されています。

以下を読んでいただければ分かるように、

かなり網羅的であることが分かると思います。

なお、キーワードは、【】にて追記してあります。

===

序章 ストレスフリーの基本
  • 不安を行動で取り除く【ノルアドレナリン、行動】
  • 自力で解決できるようになる【ToDo、フィードバック】
  • 他人の力を上手に借りる【相談、ガス抜き効果】
  • 生活を整えてちゃんと生きる【いい睡眠、有酸素運動、健康的な日本食】
  • 最高のモーニングルーティン「朝散歩」をする【セロトニン】

ここでは、とりあえず行動することが語られています。

===

第1章 人間関係
  • 他人と自分を比べない方法【上方比較、下方比較、モデリング】
  • 人の意見に流されない方法【自己洞察力、最適解、同調圧力】
  • 「人を信頼できない」の対処法【自己開示、ラポール形成、ザイオンス効果】
  • 「信頼できる人」と「信頼できない人」を見分ける方法【For You、同属性、ギバー】
  • 嫌いな人と上手に付き合う方法【脳の扁桃体】
  • 「人から嫌われたくない」の対処法【キーマン】
  • 本音は出すべきか、出すべきでないか【ペルソナ】
  • 悪意を向けてくる人の対処法【優越コンプレックス、ベンジャミン・フランクリン効果】
  • 他人を変えるにはどうすればいいのか【課題の分離、Iメッセージ、Youメッセージ】

===

第2章 プライベート
  • 孤独のリスクを減らす【毒友、友達と仲間】
  • 大人になってから友達を作る方法【オープンマインド、コミュニティ】
  • SNS疲れを解決する方法【ヤマアラシのジレンマ、承認欲求】
  • 相手に好意があるかどうかを知る方法【ザイオンス効果】
  • 親子問題に向き合う方法【毒親、心理的距離】
  • 夫婦関係をよくしたい【男女の心理】
  • 子育ての問題を乗り越えるには【環境・行動・努力】
  • 介護の心配をなくす【フレイル、レスパイト】

===

第3章 仕事
  • 職場の人間関係を解決する【ピザ理論】
  • 「仕事が楽しくない」を乗り越える方法【守破離、自発性】
  • どうしても仕事を辞めたいときの対処法【転職のメリット・デメリット、過労死ライン】
  • 自分の「天職」を見つける方法【他者貢献、コンフォートゾーン】
  • 「人工知能に仕事を奪われる心配」を乗り越える【ネガティブ本能、アウトプット仕事】
  • 仕事や勉強の集中力を高める方法【側坐核、パワーポーズ、認知的不協和】
  • 「仕事が覚えられない」の対処法【ザル聞き】
  • 「評価されない」「昇進できない」の対処法【平均点以上効果】
  • 本業とは別に「副業」を持つ【ネット副業、最初の1000円】
  • 「お金の不安」を取り除く方法【限界効用逓減の法則、非地位財、自己投資】

仕事は、生きていくためにはある程度必要なのですが、
人間関係は難しいところがあります。

先日読んだ、ツチヤタカユキさんの「笑いのカイブツ」においても、
悪意のある同僚によるいじめが描かれており、
どこの世界にも、一定数そういった人がいます。
過労で病気になる前に、逃げなければならないと思います。

===

第4章 健康
  • 睡眠不足を解消する【メラトニン、成長ホルモン】
  • 睡眠の質をさらに上げる方法【自然治癒力、リラックス・ルーティン】
  • 運動不足の対処法【死亡リスク、早歩き】
  • 理想的な運動を継続する方法【有酸素運動、無酸素運動、BDNF:脳由来神経栄養因子】
  • 本当に健康にいい食べ物はどれなのか【完全栄養食、糖質制限、神経ビタミン】
  • 健康的に痩せる食事法【BMI、免疫力】
  • 嗜好品とうまく付き合う方法【禁煙外来、コルチゾール】

この目次を見るだけでも、ひとは、
寝る、動く、食べるでできていることが、よく分かります。

===

第5章 メンタル
  • 自分を変えるにはどうすればいいのか【ポジティブ思考、認知行動療法】
  • 自己肯定感を高める方法【自己否定感、自己受容】
  • 「緊張しやすい」の対処法【ノルアドレナリン、1分深呼吸法、セロトニン】
  • 怒りをコントロールする方法【アドレナリン、ミラーニューロン】
  • 嫌なことを忘れる方法【ツァイガルニック効果】
  • 「うつっぽい」と思ったときにすべきこと【症状固定、二質問法】
  • メンタル疾患への対処法【生活療法】
  • 発達障害かもしれないと思ったら【グレーゾーン】
  • 自分はHSPかもしれないと思ったら【心理学概念】
  • 認知症を予防する方法【MCI、マインド食】
  • 「死にたい」と感じたときの対処法【自殺衝動、セロトニン濃度の低下】

著者は精神科医なので、この章が一番詳しく、読みやすく感じました。

===

終章 生き方
  • 人生を楽しむ人になる方法【ニュートラル、コンフォートゾーン、ウィッシュリスト】
  • 決断グセをつける【確証バイアス、決断の基準、ビジョン】
  • 「生きる意味」を考え続ける【後づけ、宝地図】
  • 「死」について考える【物語、コントロール、ベストコンディション】
  • 「幸せ」を手に入れる方法【「セロトニン->オキシトシン->ドーパミン」の順番】

===
本書は、ストレスに対して、どのように対処すればいいのか、
特に悪いストレスについてどう考えたらいいのかを、
かなり具体的に、かつ網羅的に取り扱っていると思います。

一度読んだだけでは、なかなか実行できないことも多いので、
本棚に置いておいて、何度も読み返す本になるのではないかと思いました。

網羅的である分、多くの人にとって役に立つ本になっていると思います。
ぜひ読んでみてください。

===

(追記)
本書は、参考書籍も充実しています。
多くの本に、簡単な感想と、読書難易度を書いてくれているので、
チャレンジしてみよう、と思える作りになっていました。

特に、羽生さんの「決断力」と「大局観」は、
読んでみたいなぁと思いました。