桑畑幸博著「屁理屈に負けない!」を読みました。
本書は、
- 自称「議論研究家」の著者が、
- 屁理屈から自分自身を守るための方法を書いたものです。
そもそも屁理屈とは、説得力の弱い理屈のことです。
ただし、ただ単に弱いだけでなく、自分の非を認めない、相手をだます、などの悪意が入っていることがあります。
本書では、屁理屈を言ってくる人が、どうしてその屁理屈に至ったのか、その理由が書かれています。
理由をざっくりとまとめれば、その人自身の価値観が形成され、それが時代とともに補強されていくからです。
(詳しくはぜひ、本書を読んでみてください)
このため、基本的には、屁理屈を言ってくる人とは、かかわってはいけません。
SNSなどであれば、すぐにブロックするべきだし、会社の上司などであれば、できるだけ上司の上司にも根回しをしておくべきです。
本書で紹介されている屁理屈のタイプは、以下の通りです。
- 演繹的屁理屈:それが今も(この場合でも)常識といえるか?
- 帰納的屁理屈:推論のもととなる情報は正しいか?
- 揚げ足取り:「言い方がまずかった」と謝り、本来の議論に戻る
- お前だって論法:今は他人や過去と比べても意味が無い
- ご飯論法:「聞きたいのはそういうことではない」「YES or NO ?」
- わら人形論法:「そんなことは言っていない」事実に絞って議論
- 同情論法:感情部分は同意しても、結論部分に同意できるか?
- 新しさに訴える:「新しい」ということ以外の根拠は?
- 伝統に訴える:その伝統は今も通用する?
- 権威論法:借りてきた結論ではなく、論者の意見はどうか?
- 連座の誤謬:一般化されたものではなく、具体例はなにか?
- 誤った二分法:ほかの選択肢はないか(cf. ご飯論法)
- 含みのある言葉:印象ではなく、事実に注目する
- 無知に訴える:悪魔の証明はできない
- 多数論法:「みんな」って、誰? 数字は嘘をつくことがある。
- 後件肯定の虚偽:XならばY よって、YならばX?
- 前件否定の虚偽:XならばY よって、XでないならばYでない?
- 媒概念不周延の虚偽:XならばY かつ、ZならばY よって、ZならばX?
かなりいっぱい出てきます。
本書では、具体的な事例も含めて説明されていますので、ぜひ読んでみると面白いと思います。
繰り返しになりますが、基本的に、屁理屈を言ってくる人とはかかわってはいけません。
- 議論ができないな?
- 言っていることが建設的じゃないな?
と思ったら、できるだけ早くブロックしましょう。
無駄な時間を減らすことにつながります。