羽田康祐著「無駄な仕事が全部消える超効率ハック」を読みました。
本書は、広告業界出身の著者が、
- 時間術、
- 仕事の段取りはもとより、
- 思考法や、
- 発想法まで、
さまざまなライフハックを披露してくれている本です。
全部で8章の構成で、ライフハックの数は57個です。
類書によくある、見開き2ページで、1つのライフハックのようなものではなく、
数ページにわたって、ブログのような、読み物になっています。
ライフハック本としては、1つ1つの文章量は多めですが、
それだけに、分かりやすい文章になっているので、
通勤などのスキマ時間で、スッと読めると思います。
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個人的に、ためになった内容を列挙してみます。
第1章 「時間」の生産性を上げる
- いい人→断るスキル 上手に断ることで仕事量を減らす
- 時間の量→時間配分 限りある時間を有効に使う
第2章 「段取り」の生産性を上げる
- 処理スピード→やらないこと 「目的」のために、無駄な「手段」を捨てる
- 自前主義→役割分担 「自分がやったほうが早い病」の克服
- 情報を待つ→仮置きで動く 絨毯爆撃ではなく、狙いを定めながら動く
第3章 「コミュニケーション」の生産性を上げる
- 伝える側→受け取る側 相手に合わせて伝え方を変える
- 形容詞→数字 「曖昧」を潰すことで無駄を消す
- 正確さ→たとえ 直感的な理解をうながす
第4章 「資料作成」の生産性を上げる
- 理解を促す→判断を促す 理解させるのではなく、判断させる
- 全部読み込む→取捨選択する 使える情報かどうかの判断基準をもつ
- 文章で書く→図で描く 回りくどい内容を直感的に伝える
第5章 「会議」の生産性を上げる
- とりあえず→時間意識 時間を短くすることで濃密に
- ノート→ホワイトボード 言葉の空中戦を視覚に落とし込む
第6章 「学び」の生産性を上げる
- 観察→洞察 物事の本質を見るための視点を手に入れる
- 答え→答えの出し方 「答え」を生み出す思考パターンを身につける
第7章 「思考」の生産性を上げる
- 数字→目的 数字の先にある目的を見て、新しい選択をする
- 正解にこだわる→仮説で走る 正解思考から仮説志向へ
第8章 「発想」の生産性を上げる
- 具体的に考える→概念的に考える 具体と概念を横断してアイデアを出す
- 現状から考える→未来から逆算する 理想の未来を設定して抜本的に解決する
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上記の目次からも分かる通り、本書はすべて、
「A→B」という構成になっています。
つまり、Aをやめて、Bをやるべき、ということです。
何を、何に変えるかが、具体的に、分かりやすく示されています。
また、本文も、ブログ記事のように軽い感じの読み物です。
それぞれの記事の最初に、悩みの具体例がしめされているので、
その悩みに対して、
- どのように考えるのか、
- どのように行動するのか
が、きちんと書かれています。
1つ1つが、とても読みやすい文章になっていると思いました。
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こういったライフハック本は、類書も多いですが、
みさかいなく、やってみるというのは、あまりオススメしません。
やるべきことが多すぎると、結局何もできないまま終わってしまうからです。
だからまずは、「時間術」から読んで、
時間的な余裕をもってから、そのほかのいろいろなことに挑戦するのが、良いと思います。
そういう意味では、本書は、第1章が時間術から始まりますから、
本書のあたまから、順番に読んでいくのが良いのではないかと思いました。
上記にも書きましたが、特に、「いい人→断るスキル」は必須だと思います。
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なお、この「断る力」は、勝間和代さんの有名な著作です。
「断る力」は、本書の巻末にある参考文献にも、示されています。
本書にまとめられている参考文献一覧も、
ビジネス書の代表的なところが押さえられているので、
本書のあとに、何を読もうか、というときにも、
かなり役に立つ一覧になっていると思いました。