ヘンリー・デイヴィッド・ソロー著、ジョン・ポリサーノ編・絵、金原瑞人訳
「ソロー『森の生活』を漫画で読む」を読みました。
私は、文章の方の森の生活を読んだことが無いので、
ソローについては、なんとなく、「仙人みたいな生活をしているひと」ぐらいのイメージでした。
しかし、実際は、
- 実家に帰っていたり、
- 街で友達と生活していたり、
- さらには税金を払わないせいで投獄されたりしていて、
想像していたよりも、ずっと、具体的で世俗的な生活をしていたひとだ、ということが分かりました。
仙人みたいに、世の中から離れて、自分の世界に閉じこもっていたわけではなかったみたいです。
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本書は、「森の生活」や、「市民としての反抗」というエッセイをもとに、
基本的にはソローの文章をそのまま、漫画に仕立てなおしたものになっています。
(漫画のストーリーとして、前後の入れ替えなどはしてあるようです)
個人的に好きなことばは、
- 「相続するのは簡単だが、手放すのは難しい」
- 「いってみれば、わたしは太陽や月や星を、小さな世界をひとりで所有しているようなもの」
- 「わたしを従わせようとするなら、わたしが頼っている原理より高い原理を持ってこなくてはならない」
などです。
正直なことを言えば、ソローは友達にはいてほしくないタイプではあります。
ずけずけ物をいい、マナーが悪い、という記述もあります。
周りの人が、ソローのことを変わり者だと思ったというのは、さもありなんです。
とはいえ、ソローから学ぶこともまた、大変多いように思うのです。
人生が終わるとき、自分の人生を生きてきた、と思うために生きる、というのは、
何となく「7つの習慣」における2番目の習慣にも、近い考え方のようです。
自分に不要なものを手放すことができるか、
できるだけ、しがらみから自由になれるか、
それこそが、大事なことなのだろうと思います。
そういう意味では、ミニマリストにも近い考え方だと思いました。