森博嗣著「道なき未知」を読みました。
森博嗣さんの本は、これまでも何冊か読んできましたが、いずれも面白い本なので、ぜひ読んでみてください。参考タグ >>> 森博嗣
今回は、若い人向けに書かれた本です。
とくに、
- ある程度の時間的な余裕があり、
- 人生まあまあ順調にやってきてるけど、
- これで良いのだろうか・・・?
と、考えてしまいがちなひとに向けられた本ではないかと思います。
本書は、出来上がり方が独特です。
- 雑誌の連載
- ネット上での連載
- 書き下ろし
という、3種類の文章が混じっている本です。雑誌は休刊になることがあるので、仕方ないことだったのでしょう。全部で、6年にわたる変化を飲み込んだ本になっています。
連載記事の特徴かもしれませんが、本書では、季節の移ろいや、そのときどきに個人研究していたことなどが書かれています。
筆者の広大な庭を写した写真も随所に差し込まれています。
そういった、変わりゆくものと、筆者自身が考えたこと(変わらないこと)とが、良い対比となりながら、文章が進んでいきます。
筆者は、文章を読むのが遅く、苦手だという記述がありますが、読むほうとしては、さらっと読めてしまうのではないかと思いました。
本書で展開された考察をざっとあげるだけでも、
- 情報の扱い方
- 時間のとらえ方
- ことばと行動
- 考えるとは
- 生き方
- 市場が求めているもの
- 理屈と神様の関係
- 死のとらえ方
- プログラミングの心得
- 苦労と安易
- 多数派と少数派
などなど、さまざまです。
全体としては、主な想定読者である「若い人」に向けて、筆者なりの、生き方の応援になっていると思いました。
なお、本書を読みながら、もっとも身につまされたのは、第32章の「まとめるな、まとまるな」です。
当サイトは、いわゆる「まとめサイト」ですが、まさに、ネット上における「まとめ」が「痛い」ことだと評価されています。
こんな風にまとめられるのも、筆者からすれば、痛いことなのでしょう。
すみません。
多少なりとも痛くならないためには、どうすればいいんでしょうね。
今後は、まとめの最後に、このネット上の会話から、何が分かるのか(つまり、考察)を書いてみるのもいいかもしれません。まとめ記事で議論されていることを、1行でまとめるとどうなるか、みたいな。
まとめサイトを見に来る方にとって、どんなことが分かればいいのか、よく分かりませんが、そこは市場を読みながら、やっていきたいと思っています。
いずれにせよ、いろいろ「考えさせられる」本であることは間違いないので、ぜひ読んでみてください!
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