島田直行著「社長、クレーマーから「誠意を見せろ」と電話がきています ── 「条文ゼロ」でわかるクレーマー対策」を読みました。
本書は、中小企業の社長をメインの読者に置いていますが、
それと同時に、従業員(末端の社員)にもためになることがたくさん書いてありました。
===
いくつかまとめると、次のようなポイントがありました。
- クレーマー(明らかに不当な要求をするひと)は顧客だと思わなくて良い
- クレーマーをどう誘導すれば解決か、ゴールを決めておく
- クレームは必ず会社に報告する。自分ひとりで解決できると思わない方が良い
- 当事者ではない第三者(息子や親)からのクレームには、当事者をちゃんと呼ぶ
- 証拠を残す。電話は録音する。また、文書で通知する
- クレーマーの要求はコロコロ変わるので、こちらで控えておく
- 裁判所に訴えてもらった方が、クレーマー対策の解決になる
- クレーマーからの電話には出なくて良い
- 恐怖を感じたら、怖いと思っていることを言う
- クレーマーの家には行かない
本書には、クレーマーには、会社としての対応が必要であることが書かれています。
クレーマー担当の個人的な能力だけで乗り切ってはいけないということです。
そもそも、クレーマーの定義じたい、担当者が勝手に決めるのではなく、
会社で決めないといけません。
クレーム自体は、もしかしたら、自社の改善点なのかもしれませんから、
きちんと対応が必要なこともあります。
しかし、本書で扱われているクレーマーは、明らかに不当な要求を突き付けてくる輩です。
なので、担当者としては、会社として対応方法を決めてもらわなければなりません。
検討時には、本書を読んでもらったり、弁護士に相談に行く、コンサルに頼む、
などの方法があります。
検討すら渋るような会社なのであれば・・・、
そのときは、状況にもよりますが、その会社を辞めることも考えて良いかもしれません。
とにかく、自分の精神的健康が、一番大事です。
クレーマー対応は、かなり精神力を削られる仕事なので、
ここを壊すことのないように、十分に気を付けてください。