2021年の最初の記事に何を書こうかな、と思ったのですが、
やっぱり、生きることについて考えたいと思いました。
いかに生きるかは、いかに死ぬことか、でもあります。
読んだのはこちら、中村仁一著「大往生したけりゃ医療とかかわるな【介護編】」
どぎついタイトルですが、書いてある内容は読みやすく、
しかもどうやって人生の最期を迎えるかについて、考えさせる内容となっています。
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著者の中村さんは、京都大出身のお医者さんなので、
こころの底では、医療とかかわらずに死んでほしいと思っているわけでは無いようです。
が、今の医療・介護体制、今の医療や介護の職場で働いている人の考え方のもとでは、
延命治療が、必ずしも、患者本人のためになっていないことがある、ということを訴えています。
そこで語られる考え方としては、
- 本人も、そして家族も、いつか死ぬことを考えてこなかったことが問題
- 老いと病は別。病は治ることがあるが、老いは治らない
この2点が、私にとって、とても印象に残りました。
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本書には、「事前指示書」というものが掲載されています。
「事前指示書」とは、死ぬまでの間、そして死んだ後のことを、指示しておくための書類です。
死ぬまでの間については、たとえば、以下のようなことが書かれています。
- 脳死を認めるか
- ペースメーカーの装着
- 心肺停止のとき – 心臓マッサージ、電気ショック 等
- 自力で口から飲み食いできなくなったとき – できる限り食べさせてほしい 等
- 痛みに対して – 麻酔の使用 等
- 人工透析
- 輸血
などなど、全部で9項目、部分的にはもう少し細かく整理されています。
また、死後についても、
通夜や、告別式をどうするか、臓器提供や献体するかどうか、など、
さまざまなことを事前に指示しておくのです。
この考え方は、先日読んだストア派の考え方にも似ていて、
とても良い考え方のように思えます。
お正月から死について考えたくない、という方もいるかもしれません。
むしろ、死についてではなく、いかに生きるかについて、考えるべきです。
お正月は、自分の最期の生き方をどうするのか、考える良い機会のような気もします。