【読書】 「かたづけ思考」こそ最強の問題解決

小松易著「かたづけ思考こそ最強の問題解決」を読みました。

「かたづけ思考」こそ最強の問題解決
小松 易
PHP研究所
2018-10-31


かたづけ本には、やましたさんやこんまりさんなど、さまざまありますが、
ちょっとスピリチュアルなところが多い印象があります。

その点、小松さんの本は、(ビジネス書ということもあり)ビジネスライクに書かれているので、
私は個人的に、好きな著者です。

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本書は、主に職場での「かたづけ」について書かれた本です。

この、「かたづけ」がひらがな表記なのも、
小松さんなりの独特な考え方があって、

  • 一般的な「片づけ」のほかに、
  • 「型づけ」、
  • 「方づけ」

といった意味も持たせるからです。

これは、別の言葉で言えば、
習慣化の問題ともいえるでしょう。

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本書で一番ためになったのは、整理の分けると、整頓の分けるが違う、ということです。

整理の分けるは、いるもの/いらないものに分別することです。
(30代以上の方は、「笑う犬」の小須田部長と言えば、何となく思い出せるでしょうか)

一方、整頓の分けるは、必要な時に取り出しやすいように分類することです。

具体的には、

  • プロジェクトごと、
  • 年度ごと、
  • 用途ごと、などなど、

整頓するための分類です。

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現実問題として、他人の目に見えるのは、
「整頓されているかどうか」だけです。

しかし、整頓されていないから、じゃあ整頓すれば良いのか(分類するだけで良いのか)というと、
必ずしもそれだけでは解決しないことがあるわけです。

そもそも、整理されていなくて、不要なものが多ければ、分類自体が意味をなさなくなることだってあるわけです。

整理すべきものを整理せず、自分の整頓能力を超えてしまうと、
ただただ収納破産してしまうことになるわけです。

なので、「整頓されていない」→「まず整理する」という、思考回路になりにくいところが、
整理整頓の難しいところなのかなと思いました。

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小松さんは、もともと建設会社に勤めていたようで、
その意味でもビジネスにおけるかたづけが主戦場のようです。

「空中選」など、ユニークな試みも書かれていますし、
部下とのコミュニケーション、チームのリーダーシップをとる具体例など、
ひとりでやるのではなく、複数人で行うアイディアが書かれています。

このため、職場だけでなく、家庭内でも、
子どもやパートナーへ応用できそうな
かたづけ術になっているとおもいました。

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なお、小松さんの本は、以前にも読んでいますので、
ぜひこちらも、あわせて読んでみてください。