【読書】 チームで仕事をすることの難しさ 【Joy at Work】

近藤麻理恵、スコット・ソネンシェイン著「Joy at Work」読みました。

Joy at Work 片づけでときめく働き方を手に入れる
スコット・ソネンシェイン
河出書房新社
2020-09-16


「人生がときめく片づけの魔法」で有名なこんまりさんと、
「ストレッチ」という本を書いているスコットさんの共著です。

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共著としては、正直、あまりうまくいっていません。
章ごとに、こんまりさんパートとスコットさんパートに明確に分かれており、
それぞれの内容も独立しています。

あいだにコラムが挟んでいるものの、
なにか特別な効果があるような書き方にもなっていません。

読後感は、
「こんまりさんとスコットさんは、良いチームになりきれなかったな」
という印象です。

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では、読みどころはどこかというと、
  • こんまりファンの方にとっては、こんまりメソッドの仕事版が読めること、
  • ファンでない方にとっては、仕事での片づけライフハック本として読めること
が言えるでしょう。

とはいえ、仕事での片づけ術のライフハックはいろいろあるので、
わたしなら、たとえば「時間術大全」あたりをお勧めします。

わたし自身は、楽しく読めましたが、
それは、わたしがこんまりさんを好きだからであり、
スコットさんパートが楽しかったからではありませんでした。

楽しめる読者は、結構少ないのではないかなと思います。

なお、本書でこんまりさんを知ったという方、面白いなと思った方は、
「人生がときめく片づけの魔法」を読んでみることをお勧めします。

人生がときめく片づけの魔法 改訂版
近藤麻理恵
河出書房新社
2019-02-14


以下、簡単に目次から整理しておきます。

【こんまり】はじめに
【こんまり】1章 どうして、片づけが必要なのか?
【こんまり】2章 片づけでリバウンドしないために
【こんまり】3章 仕事場を片づける
【スコット】4章 デジタルデータを片づける
【スコット】5章 時間を片づける
【スコット】6章 決断を片づける
【スコット】7章 人脈を片づける
【スコット】8章 会議を片づける
【スコット】9章 チームを片づける
【スコット】10章 片づけの魔法をシェアする
【こんまり】11章 もっと仕事で “ときめく” ためには
【こんまり】おわりに
【スコット】謝辞

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面白いのは、こんまりさんの書いている第3章だと思います。
購入を迷っている方は、とりあえずここだけ立ち読みしてみて、
面白かったら買うのがオススメです。

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せっかくなので、
いわゆる、こんまりメソッドについて、ここで少しまとめます。

わたしは、こんまりメソッドは、2つの特徴があると思っています。
  • 「ときめき」という精神性と、
  • お祭りにたとえるポジティブさです。

順番に説明します。

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「ときめく」ものだけを残して、あとは捨てる、
というと、スピリチュアルな印象を受けるかもしれません。
こんまりさんの、あのキャラ(片づけのヘンタイ)ともあいまって、
好き嫌いが分かれるところだと思います。

片づけに、「ときめく」というウェットな感情を載せるのは、
機能的、効率的な片づけを目指すひとにとっては、
やや受け入れがたいところがあるのも事実でしょう。

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とはいえ、片づけによる精神的な効果は、
片づけ本とは正反対の、森博嗣さんの「アンチ整理術」でも触れられており、
多くの人にとって、一定の効果があるのは事実のようです。

人生に迷ったら、まずは片づけてみる。
理屈はさておき、わりと正しい行動のようです。

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もうひとつの特徴に移ります。

こんまりさんは、
  • カテゴリーごとに、
  • 一気に片づける
を勧めています。
(これを「お祭り」と表現しています)

そのためには、まずカテゴリーを分けておかないといけませんが、
それを「お祭りの準備」と考えれば、ポジティブになれます。

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お祭りの特徴として、
  • 楽しい
  • 短期間しかやらない

  • ただし、準備はそれなりに必要

という特徴がありますが、
まさにこんまりさんの片づけとは、お祭りなのです。

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なお、こんまりメソッドでは、片づける順番もおおよそ決まっており、
本、書類、小物、思い出品というカテゴリーごとに、片づけていきます。

本は最も片づけるのが簡単で、ここから始めるのがいいでしょう。

本書でも、職場で、本や書類などを片づけていくときの
考え方が書かれていますから、参考になると思います。

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