ジョセフ・シュガーマン著「シュガーマンのマーケティング30の法則」を読みました。
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本書は、マーケティングによりアメリカで成功した経営者であるシュガーマンが、
いろいろな実例を語りながら、マーケティングのヒントとなる30の法則について示しているものです。
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本書で、一番重要なことは、
人は感覚で動き出し、理屈でも確認できたときに買う、ということです。
だから、感覚を動かせないと、そもそも買えません。
とはいえ、理屈が無かったときは、買うところまで到達しません。
その両方を準備しないといけない、というところに、本書の一番言いたいことがあると思います。
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目次から、各法則の見出しを抜き出してみましょう。
なかなかバラエティに富んだ書き方になっていることが分かると思います。
- アイスクリームの注文手順
- 隣人の急死
- 愛とキャンパス売春婦
- 臭いもののフタは開けろ
- 災い転じて・・・
- No.1テレビセールスマンの秘密
- 「手を上げろ!」でお金をもらう
- ハワイで物語する
- 男子風呂の「公告」
- 社長の愛車はラビットです
- 「ゴリラ・サバイバル作戦」で幸せ結婚生活
- 悪魔は理屈に棲んでいる
- 金持ちの最期の誘惑
- サルでもできる脳外科手術
- 情熱力
- 集団妄想、そしてマーケティング・アイディア
- 全国世捨て人会議
- 簡単にできる尾翼コレクション
- 火事だぁ、助けて!
- 金喰いスノーモービル
- バカで単純がサイコー
- 合法的賄賂で成功する
- 几帳面は得をする
- 軍事的策略 風船ガム編
- 初対面でベッドイン
- 宝くじ大当たり
- 見知らぬ女性からのエロエロ誘惑
- お風呂に入ってバス
- フェロモン製造法
- 販売における最大の力
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後半は、やや下世話な見出しですが、
これもまた、読者を離さないようにする手段のひとつになっているようです。
逆に言えば、本書は、こういった文章に惹かれるひとを
主な対象に書かれているということでもあるでしょう。
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そしてそれぞれには、「心理トリガー」が説明されています。
これは、ある意味では文章術に近いもののように思いました。
- 一貫性の原理 【のせろ】
- 適切なアピールポイント 【だきこめ】
- 顧客の特徴 【なし】
- 欠点の告知 【だきこめ】
- 抵抗感の克服 【だきこめ】
- 巻き込みとオーナーシップ 【だきこめ】
- 誠実さ 【だきこめ】
- 物語(ストーリー) 【だきこめ】
- 権威 【なめられるな】
- お買い得感 【のせろ】
- 感覚 【のせろ】
- 理屈による正当化 【なめられるな】
- 強欲 【のせろ】
- 信頼性・信憑性 【だきこめ】
- 満足の確約 【なめられるな】
- リンキング 【だきこめ】
- 帰属欲求 【だきこめ】
- 収集欲求 【のせろ】
- 切迫感 【のせろ】
- 限定 【のせろ】
- 単純明快さ 【だきこめ】
- 罪悪感 【なめられるな】
- 具体性 【なめられるな】
- 親近性 【だきこめ】
- パターンニング 【なし】
- 期待感 【のせろ】
- 好奇心 【のせろ】
- 市場とのマッチング 【なし】
- 考えさせる力 【なめられるな】
- 正直さ 【だきこめ】
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このように見てみると、
一部、分類できなかったものもありますが、
ほとんどは文章術の一部であると見ることができるでしょう。
マーケティングとは、ある特殊な文章術であるということが分かると思います。