【読書】 プログラミングでできることがだいたいわかる本。

渡辺宙志著「ゼロから学ぶPythonプログラミング」を読みました。


本書は、慶応大学准教授の著者が、
Pythonというプログラミング言語について教えてくれる本です。

本書の内容は、ほぼwebにアップされているので、
webで長い文章を読むのが気にならないひとなら、
こちらでも読めます。

ゼロから学ぶPython

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上記に紹介したサイトの、最初のページだけでも読んでみてください。
こう書いてあります。

本書の目的は「これまでプログラムを組めなかった人がプログラムを組めるようになること」ではない。また、プログラム言語としてPythonを扱うが「Pythonをマスターすること」を目的とはしない。そもそも全くプログラムを組んだことがない状態から、本書を読んだだけでPythonをバリバリ組めるようになる、というのは不可能だ。

いきなりすごいことが書いてあります。
じゃあ、本書の目的は何なのでしょうか?

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さらに読んでみると、こんなことが書いてあります。

なぜプログラムを覚えるべきか。それは今後プログラムが就職活動に必須スキルになるからでもなく、ましてAIがブームだからでもない。「プログラマ的な感覚」を身につけるためだ。たとえ日常的にプログラムを組んでいなくとも、「プログラマ的な感覚」を身に着けた人は、そうでない人に比べて作業能力が桁違いに上がる可能性がある。

これは本当にそうなりつつあります。

事務作業で、一個一個ファイルを開いて、作業して、閉じる、
みたいなことをやっているおじさんおばさんは、
プログラム組める若者にとってかえられます。

プログラムを組めるほうが、生産性が何倍も高いからです。

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しかし、プログラミングをチャレンジしたことのある人なら、ご存知かもしれませんが、
プログラミングは、始めるまでのハードルが高いです。

いわゆる「環境構築」というものをせねばならず、
ここで挫折するひとはとても多いと思います。

そこで本書では、google colabというグーグルのサービスを利用するようになっています。
gMailを使っているひとなら、グーグルのアカウントを持っていますから、
新規登録などすることなく始められます。

グーグルのアカウントがあればだれでもできるので、
ハードルがぐっと低くなっています。

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とはいえ、本書の演習問題は、結構大変です。
いきなり複素数が出てきたり、写像が出てきたり。

(せっかく、最初の環境構築のハードルを低くしたのだから、
 もう少し分かりやすい演習問題にすればよかったのに・・・。)
と思わなくもありませんが、まあ著者は慶応の先生ですので、
そのあたりの手加減はできなかったのかもしれません。

とはいえ、本書の最後の方では、簡単な機械学習までやってくれるので、
1冊やりおえれば、「いまのプログラミングでやれるだいたいのこと」は、
分かる仕組みになっています。

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  • かつて、FAXが使えないと仕事にならない時代がありました。
  • パソコンが登場して、キーボードが打てないと仕事にならない時代になりました。
  • その後、エクセルがある程度使えないと仕事にならない時代が来ました。

その延長で、Python(もしくは、自動化してくれるプログラム的な何か)ができないと、
仕事にならない時代が来つつあります。

この時代の変化から逃げ切れる世代でない方は、
まずは本書から始めてみるのがいいのではないかと思います。
ぜひ、チャレンジしてみてください。

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