【読書】 スルガ銀行かぼちゃの馬車事件

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大下英治著「スルガ銀行かぼちゃの馬車事件」を読みました。

スルガ銀行 かぼちゃの馬車事件
大下英治
さくら舎
2021-03-05


本書は、

  • シェアハウス(かぼちゃの馬車)の投資詐欺事件について
  • 被害者側弁護士の友人であり、元文春記者の著者が、
  • 事件の発覚、戦況、そして結末までをまとめたものです。

河合弘之弁護士というのが、
この本のメインの登場人物なのですが、
かなり有名な方みたいですね。

wikipediaにも載っているような人です。

本書はノンフィクションですが、
著者のストーリー展開がうまいので、
勧善懲悪ものの小説であるかのように読めると思います。

とはいえ、一番悪い奴らは、逃げ延びてしまうわけですが・・・。

===

以下、目次から、ざっくり抜粋しておきます。

第一章 二億円の不動産融資

  • シェアハウス「かぼちゃの馬車」への不動産投資の誘い
  • スルガ銀行横浜東口支店に融資の手続きへ
  • スマートデイズの陰の経営者、佐藤太治という人物
  • うさん臭い被害者救済支援室

第二章 悪徳業者たち

  • 詐欺の二次被害のにおい
  • 八百人のオーナー、一千棟のシェアハウス、賃料の振込はゼロ円
  • スルガ銀行横浜東口支店、内部告発をすり抜ける
  • 医者仲間からの投資の勧誘

第三章 凄腕弁護士 河合弘之

  • 敵はスルガ銀行、目指すは代物弁済
  • 強力な弁護士を引き入れる
  • スルガ銀行本店へ乗り込む
  • 初めての自殺者

第四章 決死の白兵戦

  • 不退転の決意で元利の支払いを止める
  • 組織悪事の証拠「原本と相違なき証明書」
  • 現れ始めたデモの効果
  • 明るみに出たスルガスキーム

第五章 「地銀のお手本」の虚構

  • スマートデイズ、白旗を揚げる
  • スルガ銀行岡野会長自宅前でのデモ
  • 「ガイアの夜明け」による援護射撃
  • 決戦! スルガ銀行第二〇七期株主総会
  • ゼノン住販、投降する

第六章 不倒の詐欺師たち

  • 今回も逃げおおせた佐藤太治
  • サラリーマン気質の警察

第七章 勝利へ、借金帳消し

  • 同盟への嫌がらせ、始まる
  • 「スルガの役員を地獄の底まで追いかける」
  • 同盟外の被害者の救済
  • スルガ銀行のその後

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本書を通して思ったのは、

  • 不動産投資に失敗すると、みんな自殺を考える
  • そして実際に、死ぬ人もいる
  • 詐欺被害者は弱っているので、さらに詐欺にあいやすい
  • 悪い奴を懲らしめるために戦うのではなく、勝つために戦うべき
  • 金融庁長官も銀行も不動産屋も、都合が悪くなるとすぐ逃げる
  • デモをやるにも法律知識とノウハウが必要
  • 荒れた株主総会に、一度参加してみたい
  • クレマチスの丘に、一度行ってみたい

というようなことでした。

特に、
本書で悪の権化として描かれるスルガ銀行については、
創業家から末端社員まで、すべてが腐敗しているように描かれるので、
こんなのを褒めた金融庁は赤っ恥だなぁ
と、しみじみ思いました。

===

本書を読むと、悪い奴らがたくさんいて、
というか、
たくさんいすぎて、社会が怖くなります。
(自分ではまっとうに生きていても、悪い奴らは近づいてきます)

もちろん、「悪」にも程度はあります。

誰がどれくらい悪いかは、
ぜひ読んでいただいて、
ひとそれぞれ、考えてみてほしいです。

たとえば、

  • 目次にも名前が出てくる、佐藤太治さんとか、
  • 彼の会社の表向きの社長だった大地則幸さんとか、
  • 大地さんの本を出版して、箔をつけてしまったダイヤモンド社とか、
  • スルガ銀行横浜東口支店の支店長の深沢明義さんとか、
  • スルガ銀行会長の岡野光喜さんとか、
  • そのスルガ銀行を高く評価してお墨付きを与えてしまった森信親金融庁長官とか。

そのほか、名前は出ていませんが、

  • 書類を偽造してキックバックをもらった銀行員、
  • 販売業務をした有象無象の不動産会社社員、
  • 彼らからお金をもらって、自分の友人を投資に誘い込んだ人々、

などなど・・・。

本当にいろんなレベルの「悪」があります。

ちなみに、スマートライフの社長の書いた本が、以下の通りのようです。


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突発的に借金を負って、
「もう死ぬしかない」、となったとき、
死ぬ前の最期に、誰に命を賭けるのかは、大事な選択です。

本書の事例では、河合弘之弁護士という有名人に出会えて、
しかも彼の思惑が、ほぼ当たったので良かったわけです。

わたしたち読者は、結末をニュースで知っているから、
安心して読めるわけですが、
実際にそこに陥ったとしたら、そうとうな恐怖
だったはずです。

果たして自分なら、こんな風に乗り越えられるだろうか・・・?

なかなか怖い問題です。

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「かぼちゃの馬車」の事件は、
なんとなくニュースで知っていただけでしたが、
本書のおかげで、少し深く知ることができました。

なかなか深い事件ですので、ぜひ、読んでみてください。

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