【読書】 一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書

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山崎圭一(ムンディ先生)著「一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書」を読みました。


本書は、

  • 県立高校の歴史教師である著者が、
  • 元教え子のために歴史を教える動画をYouTubeにアップしているうちに、
  • その内容の分かりやすさが評判になり、出版することになった本です。

社会人になってしばらく働くと、
ちょっとした場面で、世界史の(初歩的な)教養が必要になる場面があります。

おそらく、著者に歴史を学びなおしたいと言ってきた「元教え子」も、
そういった事態に直面したのではないかと想像します。

教養レベルの世界史をざっくり読むなら、
本書のような本が最適だと思います。

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著者によれば、世界史が分からなくなる原因は、

  1. 細かい事件や出来事ばかり追っていて、全体のストーリーが分からなくなるから
  2. 登場する国や人物が次々に変わっていって、誰視点か分からなくなるから
  3. 年号ばかり覚えるのに苦労して、結局何が大事なのか分からなくなるから

ということのようです。

これらを解決するため、

  1. 出来事を数珠つなぎにして、1つのストーリーにまとめる
  2. 主語が変わるのを最小限に抑える
  3. 年号を使わないでストーリーを際立たせる

という工夫をしています。

以前、教養についての本を読みましたが、
「教養とは、全体像が分かっていること」です。

本書はまさに、「教養としての世界史」を把握するのにぴったりです。

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とはいえ、世界史すべてが「1つの」ストーリーで語れるわけではありません。

さすがに、地域も時代も幅広いので、これらを1つにまとめることは困難ですし、
逆に分かりにくくなるでしょう。

できるだけまとめるため、本書では、まずは大きく2つに分けています。

大航海時代より、前か、後か、です。

そしてさらに、大航海時代より前は、

  • ヨーロッパ(ギリシャ文明から中世)
  • 中東(メソポタミア文明からオスマン朝)
  • インド(インダス文明からムガル帝国)
  • 中国(黄河文明から清)

といった構成に分けています。

一方、大航海時代より後は、

  • 欧米(帝国主義以前)
  • 欧米(帝国主義以降)
  • 中東・インド
  • 中国

という構成に分けています。

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以上から、本書では、全部で10のストーリーにまとめています。

「10もあるの?」と思われるかもしれませんが、
世界史の教科書はもっと細かく分かれているので、
これで十分まとまっています。

また、10章であれば、一般的なビジネス書と同じくらいの章立てですから、
社会人にとっても読みやすい本になっているのではないでしょうか。

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とはいえ、本書では、多少無理をしているところもあります。

たとえば、アフリカ諸国や日本などは、ざっくり割愛されてしまっています。

全体的なストーリーを、ざっくりまとめるために、仕方のないことなのですが、
そのあたりについて知りたい場合は、別の本を読む必要があるでしょう。

とはいえ、本書を読んだ後に、それらの本に向かえば、
全体的なストーリーは頭に入っているわけですから、
効率よく歴史の本を読めるようになるのではないかと思いました。

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以上のように、本書はぜひとも社会人になって、
教養を学びなおしたいと考えている人に、
ぴったりの本になっていると思います。

ベストセラーになったので、
多くの方はもう読んでいるかもしれませんが、
もし、まだという方がいれば、
ぜひ、読んでみてください。

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