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アマンダ・リプリー著「生き残る判断 生き残れない行動」を読みました。
本書は、
- アメリカのニュース雑誌「タイム」の上級ライターである著者が、
- 9.11テロや、ハリケーン・カトリーナなどの生還者への取材を通して、
- 大災害に直面しながらも、生き延びた人々の心理や行動を考察する本です。
本書の原題は、「The UNTHINKABLE who servives when disaster strikes — and why」であり、
直訳すれば、「想像もできないこと 災害が襲うとき、誰が生き残るのか、そしてなぜか」です。
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目次から章題を抜粋しておきます。
第一部 否認
第1章 立ち遅れ
第2章 リスク
第二部 思考
第3章 恐怖
第4章 非常時の回復力
第5章 集団思考
第三部 決定的瞬間
第6章 パニック
第7章 麻痺
第8章 英雄的行動
結論 新たな直感を生み出す
目次を見てもわかる通り、
心理的な考察がほとんどを占めます。
行動は、心理的な動きから導き出されるからです。
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近年は、日本でも大雨、地震、津波など、
さまざまな災害が増えています。
寺田寅彦の言葉だったと思いますが、
都市化すればするほど、災害は増えます。
エントロピーが低く抑えられれば、
増大しやすくなるというわけです。
(これは片付けにおいても同じことだったのでした)
参考:【読書】 時間は存在しない
しかし、都市部に住むことは、
ほとんどの現代人にとっては当然のことでしょう。
というか、(郊外を含む)都市部以外に住むことは、
実質的に不可能なひとが多いと感じます。
とすれば、以前よりも災害が発生しやすくなったという前提を
受け入れなければならないはずです。
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誰しも、大災害を目の前にすれば、
否認したくもなります。
が、そうしたいのを抑えて、
ただしく状況を判断するということが
大事なのだと思います。
本書では、たくさんの生存者のインタビューをもとに、
「そのとき」の行動や、心理が描き出されます。
これからの時代にこそ、
本書のような本が必要なのかもしれません。
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