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高村友也著「3坪で手に入れるシンプルで自由な生き方 スモールハウス」を読みました。
本書は、
- 東大哲学科卒業で、10平米程度の小屋に住む著者が、
- アメリカのスモールハウスの事例を紹介しながら
- 小さい家に住むことの意味、そして生きる意味を考える本です。
著者は、本書を描いた時点で27歳。
自分の人生に悩んでいる年齢です。
本書では、その悩みの部分まで書かれています。
人生に悩んでいる人には、
とくに読みごたえのある内容になると思います。
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本書で紹介されるのは、アメリカのスモールハウスです。
「スモールハウス」(もしくは「タイニーハウス」)については、
画像検索で「スモールハウス」「タイニーハウス」と
検索してもらえれば、そのものずばりが出てきます。
英語のWikipediaだと、こんな感じに書かれています。
なお、日本語のウィキペディアには記事がありませんでした。
特徴としては、
- 多くの場合、タイヤがついた移動式住宅。
- 道路を移動するためか、幅が3メートル以下のことも。
- しかし、キャンピングカーのような鉄やアルミ製の無機質なデザインではない。
- 多くや石積みや木造による、「家らしいかたち」をしている。
- ひとり暮らし用が多く、1階は多用途の部屋。屋根裏に寝室。
といった感じでしょうか。
とくに、「家らしい形」をしていることが重要みたいです。
もちろん、車輪の無い、基礎がちゃんとあるスモールハウスもあって、
そういう家には暖炉があったりもします。
本書では、6つ目に紹介されるダイアナ・ローレンスの家が
暖炉付きのスモールハウスです。
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著者は、
これらのスモールハウスに住むひとびとに
インタビューしたり、彼らの書いたものを読んだりしながら、
いま、モノが豊富にある資本主義社会で、
なぜわざわざ小さい家に住むんだろう、と考えます。
大は小を兼ねると言いますが、
あえて小に住みたい、と考えるのはどうしてか?
それはもしかしたら、
自分の所有しているものからの解放を望んでいるのかもしれないし、
空回りする経済発展への疑いがあるのかもしれません。
そんなに壮大な意識がない場合であっても、
自由でありたいという心は、誰の心にもあるのではないかと思います。
このあたりの議論は、おそらくミニマリストの方なら
一度は考えたことのある内容かもしれません。
さすがに東大哲学科を出ているだけあって、
悩みの部分を吐露した文章は、「悩ましい」文章になっています。
ある意味、事例紹介よりも面白い考察になっていると思うので、
ぜひ読んでいただきたいです。
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なお、本書をもし買うなら、
同文館出版の単行本よりも、ちくま文庫をお勧めします。
「文庫版あとがき」に、参考になりそうなウェブページや、
本書出版後の、著者自身による簡単な総括が書かれているからです。
著者は、本書を描いた時点では二十代でしたが、
あとがきの時点では三十代になっており、
ちょっと大人の(俯瞰的な)目線になっています。
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なお、日本人でスモールハウスの元祖といえば、
なんといってもやはり、方丈記だと思います。
光文社のこの文庫が、現代語訳としては読みやすいので、
こちらも合わせて読んでみてください。
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