【読書】 値段がわかれば 社会がわかる

※かじとじむ(当サイト)は、ふだんはネット情報のまとめサイトですが、ときどき管理人が読んだ本をまとめています。読書タグや、ざっくりまとめタグからどうぞ!


徳田賢二著「値段がわかれば社会がわかる はじめての経済学」を読みました。


本書は、

  • 経済学の学者である著者が、
  • 中学生にも分かる言葉で、
  • 経済学について(特に価格メカニズムについて)教えてくれる本です。

===

実例で出てくるのは、青果市場で、
つまりイチゴとか、キャベツとかですから、
誰にでもイメージしやすいと思います。

農家から、卸(おろし)、小売店などを経て、消費者が買うかどうかまで、
一連の流れを、第3章から6章にかけて説明してくれます。

中学生向けに書かれているため、
事例も分かりやすく書かれています。

===

しかし、分かりやすいからといって、
本書の内容が簡単である、というわけではありません。

たとえば第1章では、

  • 情報の非対称性
  • 選好
  • 機会費用
  • 需要
  • 供給
  • 大数の法則

などが扱われ、説明されています。

使われている事例や、言葉は平易ですが、
やっていること自体は、経済学の入門になっているのです。

===

目次から、本書の内容を抜粋しておきます。

第1章 私たちは値段を頼りに買うしかないのだろうか

第2章 経済のあれこれは値段が調整してくれる

第3章 掛かった生産費用を取り戻せるだろうか

第4章 値段が市場で瞬時に決まるしくみとは

第5章 売り切るには、戦略的に値段を決めるしかない

第6章 最後の関門、消費者の値段を見る厳しい眼

おまけの章 値段に見えない値段もある

===

本書は、経済学に興味を持った方が、
最初に読む本としてとても良いと思います。

ぜひ読んでみてください。

そしてこの本のあとは、
もう少し難しい本にチャレンジしてみても良いかもしれません。

経済学の書籍は、マクロとミクロに分かれていることが多いですが、
まずはミクロ経済から読んでみると、読みやすいと思います。

中高の教科書でわかる経済学 ミクロ篇
菅原晃
河出書房新社
2017-05-26