【読書】 仏像鑑賞入門

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島田裕巳著「仏像鑑賞入門」を読みました。

仏像鑑賞入門(新潮新書)
島田 裕巳
新潮社
2014-07-18



本書は、

  • 宗教学者で、作家の著者が、
  • 仏像の鑑賞に興味を持ち始めた人向けに、
  • 入門的な内容をまとめた本です。

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宗教学者が書いていますが、
別に、宗教学的な内容が書いてあるわけではありませんでした。

タイトルの通り、入門書的な内容になっていると思います。

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本書では、仏像鑑賞するなら、奈良旅行を勧めています。
3泊4日の日程で、主なスケジュールは、こんな感じです。

1日目:

  • 興福寺
  • 東大寺

2日目:

  • 法隆寺
  • 中宮寺

3日目:

  • 薬師寺
  • 唐招提寺
  • 法華寺
  • 浄瑠璃寺

4日目:

  • 新薬師寺
  • 聖林寺
  • 飛鳥寺
  • 室生寺

上記をひととおり回れば、
和辻哲郎が「古寺巡礼」で見た仏像は、ほぼ網羅できるそうです。

初版 古寺巡礼 (ちくま学芸文庫)
和辻 哲郎
筑摩書房
2012-04-01

 

(「ほぼ」というのは、當麻寺が無いから。
とはいえ、當麻寺は仏像よりは曼荼羅などが有名なため、
仏像鑑賞という観点からは省いて良いらしいです。)

また、結構な駆け足になりそうなので、
他の人と一緒にいくのも辞めた方が良いとのことです。

完全に、自分の趣味を満たすためだけの旅行ですね。

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また、本書の最終章には、
奈良だけでなく、全国でぜひ見るべき仏像も書かれているので、
こちらもまとめておきます。

  1. 中宮寺の、菩薩半跏思惟像
  2. 観心寺の、如意輪観音像
  3. 向源寺の、十一面観音像
  4. 蟹満寺の、釈迦如来像
  5. 唐招提寺の、如来形立像
  6. 立石寺の、慈覚大師頭部像
  7. 国東半島の、熊野摩崖仏
  8. 円成寺の、大日如来像
  9. 真野寺の、千手観音像
  10. 六波羅蜜寺の、空也上人像

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仏像には、「秘仏」というものがあり、
これは、「秘密の仏像」ですから、
常に公開されているわけではありません。

1年に1回だけ公開されるものとか、
ものによっては、60年に一度というものもあるようです。

とはいえ、秘仏だから、それだけ良い物かというと、
必ずしもそうとは限らないようです。

筆者の指摘によれば、
単純に、公開を制限することで、(供給をしぼることで)
需要を喚起しようとしているだけかもしれないからです。

このような指摘を冷静にしているところは、
宗教学者らしい分析だと思いました。

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仏教鑑賞の方法には、
旅行先で実物を見る方法のほかにも、
仏像写真で見るという方法もあります。

とはいえ、筆者はこの方法に対しては懐疑的です。
写真は、仏像をそのまま写す以上に、
写真家の芸術作品として仕上げられていることがあるからです。

お気に入りの仏像に出会うためには、
やっぱり、自分の目で確かめなければならないのでしょう。

本書では、仏像鑑賞旅行がおすすめされています。

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コロナはあるものの、
ある程度感染率の低いうちに、
奈良旅行に行ってみたいものです。

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なお、当ブログでは、仏像関連で、以下の本も読んでいます。
もし時間があれば、あわせて読んでみてください。