三宅哲之著「自宅ではじめるひとりビジネス」を読みました。
本書は、いまの仕事を辞めないで、副業ではなく、「複業」を勧める本です。
主に対象とする読者は、
- いま、サラリーマンとして働いていて、
- 何となく、このまま会社に人生を預けるのが不安
なひとです。
そのような人たちに向けて、
- サラリーマンを続けながら、
- 自宅で複業をはじめて、
- 最終的には、独立起業するところまで育て上げる
というやりかたを紹介しています。
著者は、
- 働き方多様化コンサルタント であり、
- 焚火コミュニケーション であり、
- 講師 でもある
という、3つの複業をしているそうです。
思わず、「焚火コミュニケーションって、なんだ?」 と思ってしまいました。
しかし、本書の104ページによると、「そんなことが仕事になるの?」 と思わせたらビジネスのチャンスらしいので、これはこれで良いのでしょう。
全体としては、7章で構成されており、初心の持ち方(いわゆる、マインドセット)から、マーケティング、そして起業にいたるまでを網羅しています。
つまり、ビジネスの最初の1歩を踏み出すところまで、と考えたら良いと思います。
もちろん、実際には、税金のこととか、役所への届け出とか、いろいろな実務があるわけですが、本書ではそれらのことには触れられていません。
なぜなら、「そういったことは、それぞれ本業としている人に外注すれば足りることだから」です。
たとえば、税金については、税理士に相談することができます。
雇用関係なら社労士がいますし、事業の許可なら行政書士がいます。
本書では、そういった外注で済むところではなく、もっと経営者として考えなければならない部分に注目しようとしています。
目次と、個人的に好きだったところを、ざっくりとまとめてみます。
第1章 ひとりビジネスを始める前に、まず「キモチ」をリセット
- 「会社が嫌」始まりは誰だってネガティブなものです!
- だからといって、いきなり会社を辞めてはいけない
- 必要なのは「自分でシゴトをつくる技術」にあり!
第2章 どんなシゴトがつくれるの? 「人生の振り返り」から見つけ出そう
- 「何ができるのか」の前に「どうありたいか」を考えよう
- 自分のリソースを洗い出してダイヤモンドの原石を見つけよう
- 「会社員+複業の時間管理」まずやろう! 時間の棚卸し
第3章 「誰に」「何を」「どうやって」の三つから売れる商品やサービスを考えよう
- 何を売るかの前に「誰」に買ってもらうかを考える
- 「そんなことがシゴトになるの?」と言われたらチャンス
- 「シゴトがまわる設計図」をつくってみよう
第4章 売り込むのは商品より「あなた自身」
- ひと目見てわかるキャッチフレーズをつくろう
- お客様から選んでもらう「物語プロフィール」をつくる
第5章 お金をかけなくてもできる! お客様を集めるためのこんな工夫
- どんなにいい商品やサービスも「知ってもらってなんぼ」
- ホームページをつくったら訪れてもらうための仕掛けが必要
- ベースになるのは今つながりのあるリアルな人たち
第6章 「働く」「試す」「たのしむ」この三つの精神を忘れなければ大丈夫!
- すべての答えはお客様にあり! だからこそまずは「動く」
- 知っているをできるに変える「型の反復」
第7章 複業で自信ができたら脱サラリーマン! 独立起業で見える景色
- 複業を起業へ変える2つの分岐点
- 「会社なし」「事務所なし」「雇用なし」の三なしで思い込みを外す
- 独立起業を目指すなら考えたい最初の1年の収支計画
私も、いきなり会社を辞めて、独立起業するというのは、ギャンブルだと思います。
本書にあるように、きちんと準備をして、手順を踏んで進んでいくことで、今とは違う働き方ができるようになるのではないかと思いました。
そういう意味では、本書は、ガイドラインとして読めるようになっています。
- このまま今の会社で働くことが不安だ
- 職場の上司や先輩を見ていると不安になる
- 仕事内容が自分に合っていないと思う
などの悩みがある人は、とりあえず本書を読んでみると、視野が広がるかもしれません。