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松村真宏著「仕掛学 人を動かすアイデアのつくり方」を読みました。
本書は、
- もともと人工知能の研究者だった著者が、
- 突如「仕掛学」という学問を作り、
- その具体例と展開方法について著わした本です。
なお、アイディアの出し方という点では、
藤原麻里菜著「考える術」の方が役に立つと思いますので、
あわせてオススメします!
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そもそも「仕掛け」とは何でしょうか。
具体例として、本書の表紙を見てください。
ゴミ箱の上に、バスケットゴールがありますね。
これを見た人は、「思わず」ごみをゴールに入れたくなります。
シュートされたごみは、結果として、ゴミ箱に集まります。
このときの、「思わず」の部分が、本書で言うところの「仕掛け」です。
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たしかに面白い。
けど、面白いだけで学問になるのだろうか?
という一抹の感じもしますが、
そこはうまいこと体系化されています。
物理的トリガー、心理的トリガーに分けて、
さらにそれぞれを、
フィードバック・フィードフォワード、
個人的文脈・社会的文脈
とに分けています。
もっと細かくは、
フィードバック:
- 聴覚
- 触覚
- 嗅覚
- 味覚
- 視覚
フィードフォワード:
- アナロジー
- アフォーダンス
個人的文脈:
- 挑戦
- 不協和
- ネガティブな期待
- ポジティブな期待
- 報酬
- 自己承認
社会的文脈:
- 既視感
- 社会的規範
- 社会的照明
といった具合です。
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本書でいちばん役に立つと思ったのは、
オズボーンのチェックリストから改変された、SCAMPER法です。
- 入れ替えたら?(substitute?)
- 組み合わせたら?(combine?)
- 他に似たものは?(adapt?)
- 変えてみたら?(modify?)
- 他の使い道は?(put to other uses?)
- 取り除いたら?(eliminate?)
- 並び替えたら? 逆にしたら?(rearrange / reverse?)
アイディアにいきづまったとき、これらをひととおり試してみると、
面白いことが思いつくかもしれません。
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目次から、いくつか抜粋しておきます。
序章 「ついしたくなる」には仕掛けがある
- 天王寺動物園の筒
- 思わず整理整頓したくなる方法
- 人の行動を変える奥義
1章 仕掛けの基本
- 行動の選択肢を増やす
- 結果的に問題を解決する
- インパクトはいずれ薄れる
2章 仕掛けの仕組み
- 仕掛けの原理( <- 上記で紹介したものです。)
- トリガの組み合わせ
3章 仕掛けの発想法
- 仕掛けを見つける方法
- 仕掛け事例を転用する
- 一方ロシアは鉛筆を使った
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アイディアを出さないといけない場面で、
このような本を持っておくと、とても役に立つなと思いました。
ぜひ読んでみてください。
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