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小島寛之著「景気を読み解く数学入門」を読みました。
本書は、
- 数学の一般書を書いてきた著者が、
- もともとの専門である経済学に使われている数学について
- 入門的な内容をかみくだいて教えてくれる本です。
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プロローグに、各章の専門分野が書かれているので、
まとめておきます。
第1章:「情報の経済学」と「ゲーム理論」
第2章:「ミクロ経済学」と「投資の理論」
第3章:「最小分散ポートフォリオ」とか「ブラック・ショールズ公式」
第4章:「資産価格の理論」と「戦略的ゲーム理論」
第5章:「マクロ経済学」と「異時点間最適化理論」
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これだけ読むと、かなり高度なことをやっているように見えます。
わたしも、株式投資に手を出し始めたころ、
ブラック・ショールズを読み解こうとして挫折した経験があります。
しかし、本書では、無限や連続性の議論を
ざっくりと切り捨てることで、
分かりやすく解説されていました。
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とはいえ、
現在も、ブラック・ショールズを使った取引が
されているのかは分かりません。
本書の出版は2011年ですから、もう10年近く前のことになります。
経済学のトレンドも、変わってしまっていることでしょう。
とはいえ、経済を知ろうと思ったら、数学は避けて通れません。
本書のような入門書から始めて、
少しずつキャッチアップしていけば良いのではないかと思いました。
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なお、著者の小島寛之さんについては、
以前、こんな本を読んでいました。
https://kaji2jimu.work/archives/10685331.html
https://kaji2jimu.work/archives/11052311.html
同じ著者であるだけに、似たような解説になっていますが、
たとえば、本書第4章で出てくる条件付確率(ベイズ統計)については、
「【読書】 条件付き確率を面積の計算だけで解説しちゃう本」の方が
ずっと詳しい記述になっています。
本書は、さまざまな分野の特徴的なところだけを抽出しているので、
本書を読んで気になったところについて、
さらに類書を読んでいくのが良い使い方だと思いました。
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なお、経済学と数学について、最近読んだなかで面白かったのは、
「ヒラノ教授の線形計画法物語」でした。
ぜひこちらも、あわせて読んでみてください!
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