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岡本隆司監修「一冊で分かる中国史」を読みました。
本書は、
- 近代アジア史を専門とする歴史研究者である監修者が、
- 中国の通史を1冊にまとめた本です。
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いきなりですが、本書の文章は、かなり下手です。
たとえば、p196ですが、
満州国を建国した日本でしたが、中華民国は国家として無効であることを、日本軍の撤退を求めて国際連合に訴えます。
といった文章が出てきます。
読んでいてムズムズしてしまいます。
一瞬、国家として無効なのは、中華民国の方なのかと読んでしまいました。
長い文章を書くならせめて、
主語のあとには読点を打つ、くらいの配慮は欲しいところです。
おそらく、監修者は、文章表現には口出ししていないのでしょうから、
ライター、編集者、もしくは校正者の不手際なのだろうとは思いますが・・・。
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とはいえ、ややこしい中国の通史を、
1冊でコンパクトにまとめてある本というのは、
とてもありがたいです。
「北京原人」よりも古い原人が発見されていたり、
「マルコ・ポーロ存在しない説」というのが出てきたりして、
わたしが学生時代に学んでいた歴史よりも、
ずっと詳しく、そして新しくなっていました。
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いつものように、目次から抜粋しますが、
そのまま通史になってしまいますね。
第1章 文明の誕生
- 大河が育んだ文明
- 考古学と神話の間
- 周の封建制
- 百家争鳴の乱世
- 秦の変法と合従連衡
第2章 帝政のはじまり
- 始皇帝による統一事業
- 項羽と劉邦の対決
- 中国史上初の「禅譲」
- 外戚と宦官の権力争い
- 清流派 vs 濁流派
- 群雄割拠から三国時代へ
第3章 南北朝分立の時代
- 利用された新たな人材登用
- 北魏の画期的な税制改革
- 花開いた六朝文化
- 兄殺しから理想の君主に
- 中国史上唯一の女帝
- 美女が原因で内乱に
第4章 五代十国から宋
- 北方で新興勢力が台頭
- “学力” で人材を登用
- 贈り物によって面目を保つ
- 悲運の愛国者と死後も恨まれた男
- 統治における正当性の裏づけ
第5章 大帝国の統合
- 大草原に生まれた遊牧国家
- 日本への侵攻は失敗
- 多様な種族で構成
- 寒冷化と疫病で衰退
第6章 グローバル化とともに
- 「北京」として初めて都に
- 幕末の志士に影響を与えた陽明学
- 明を立てて漢人を懐柔
- 四つの顔を持っていた清の君主
- 衰退を決定づけた日清戦争
第7章 共和国の成立
- 帝政の終わり
- 「革命いまだ成功せず」
- 二つの党が戦火を交える
- 関東軍の暗躍で党の勢力拡大
- アメリカとの蜜月関係
第8章 中華人民共和国
- 真のトップは軍の指導者
- スズメを狩って大惨事
- 卓球で外交方針を大転換
- 毛沢東時代の終わり
- 愛国教育のはじまり
- その動向に世界が注目
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秦の始皇帝から、清のラストエンペラーまで、
皇帝だけでもたくさんの登場人物が出てくる中国史ですが、
皇帝になった年齢の最年少は、生後100日余りだそうです。
もちろん、自分で権力をふるうことはなく、
周りの大人たちが、権力を争奪するわけです。
時代は後漢ですから、日本は金印とかもらっていたような時代ですね。
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また、皇帝としての在位期間の最長は、清の康熙帝で61年、
2番目は、同じく清の乾隆帝で60年ということで、
中国のどこかの時代に生まれるとしたら、
清の安定した時代に生まれるのが幸せかもしれないと思いました。
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本書は、中国史をざっくりと読むには
ちょうど良い本だと思います。
ぜひ読んでみてください。
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