※かじとじむ(当サイト)は、ふだんはネット情報のまとめサイトですが、ときどき管理人が読んだ本をまとめています。読書タグや、ざっくりまとめタグからどうぞ!
山本大平著「トヨタの会議は30分」を読みました。
本書は、
- 新卒トヨタの後、いろいろと転職し、いまはコンサルの著者が、
- トヨタ時代の思い出といっしょに仕事術を語る本です。
いたるところに「トヨタすげー」そして「トヨタにいた俺すげー」が出てくるので、
鼻につくなぁ、という読者もいるかもしれません。
本書の想定読者は10代後半から22歳くらいまでと思われるので、
あえて「強い兄貴」的なキャラづくりになっているのかもしれません。
会議における時短術などとともに、
「仕事の心構え」とか「人間関係の気の持ちよう」について書かれており、
これから社会に出ていこうとする学生さんに、
本書はおすすめできるかもしれません。
===
目次から整理していきます。
第1章 極限まで無駄を減らす「時短会技術」
- 30分会議で2か月分の時間を捻出
- 無駄な「定例会議」と「上司の付き添い」は認めない
- ホワイトボードの記入内容をそのまま議事録に
- いきなり議論に入っていいか最初の5秒で判断する
- 「会議ではメモなし」が暗黙知
第2章 確実に相手を仕留める「コミュニケーション術」
- 1分でOKをもらえる資料のつくり方
- プレゼンでは聞き手を迷子にさせない
- あがり症の人は目線と声を安定させる
- 「口2耳8」の割合で話す
- 文字ベースで議論しないでさっさと電話する
- 放置プレイには上司巻き込み型のメールで反撃
第3章 トヨタ魂の根幹「本質思考」
- 読めるけれどもあえて空気を読まない
- 本気できれいごとを信じそれを現実にする
- 「なぜ?」と「定義は?」でトコトン自分の頭で考えさせる
第4章 スピリットをつなぐ「トヨタの教育」
- 「嫌われてナンボ」のオヤジマインドで若手を育てる
- 苦手と得意の判断を急ぎすぎない
- 試行錯誤で素早く限界把握 無理ならサクッと助けを求める
第5章 良好な人間関係を築く方法
- ピリついた人間関係のフォローには飲み会を活用
- ネガティブすぎる相手は30分怒りを寝かせてから無視する
- 人間は予定通りに不合理な生き物だとはじめから認識しておく
第6章 人間力を嵩上げする「配慮」のつくり方
- 自らを凡人だと認識して開き直る
- ご縁を大切にし常に感謝の気持ちを持つ
===
いくつか補足をしておきます。
まず、第1章の「30分会議で2か月の時間を捻出」についてですが、
前提となる試算が、
- 年間240日働く
- その毎日、2.5回の会議に出席する
という計算になっており、
この場合、1日2.5時間の会議時間を、1.25時間に収めることができれば、
年間で2か月分の時間が捻出できますよ、
という結論になっています。
毎日2.5時間も会議をやっている会社って、あるんでしょうかね。
さすがに毎日は無理なんじゃないかな・・・。
しかし、たしかに会議室の予約が1時間ごとだったとしても、
会議じたいは30分厳守で動いた方が良いなと思いました。
会議時間の目標設定を変えてみることは、
大事かもしれないです。
===
次に、同じく第1章の
「ホワイトボードの記入内容をそのまま議事録に」についてです。
これは、印刷機能付きのホワイトボードを使うというアイディアで、
会議での板書を、そのまま印刷して議事録にしよう、という内容です。
|
うまく会議を回すことができれば、
議事録の作成に時間を取られないので、
役に立つだろうと思います。
とはいえ、「うまく会議を回すことができれば」というのが肝で、
もし、
会議が紛糾、もしくは迷走して、
板書にならないような結果になった場合は、
別に議事録の作成が必要になるわけです。
会議運営能力がそれなりにあることが、
このアイディアの前提になっているのでしょう。
あるいは、会議の出席メンバーが、
「板書に残りやすい結論を出すぞ!」と意識的になってくれれば、
うまくいくのかもなぁ。
まあ、なかなか難しいところです。
===
最後に、第2章の「放置プレイには上司巻き込み型のメールで反撃」です。
とくに若手のときや、子会社で仕事をするときによくあることですが、
こちらがお願いした仕事を、後回し(もしくは放置)されて、
依頼日までに成果物が返ってこないことがあります。
こんなとき、督促メールに自分の上司と相手の上司をCCに入れておくと、
相手もきっちり回答をしてくれるよ、というアイディアです。
これは、わたしも経験したことがあって、たしかに役に立ちます。
督促メールだけでなく、いろいろな仕事を押しつけてくる相手にも有効です。
相手にやんわり指摘するわけですから、
メール本文は、角の立たないような丁寧な文章を心がけると良いです。
===
本書にはほかにも
「ビジネスにおける心構え」や、
「人間関係のいろは」についても書かれていますから、
もし、そういったことに悩んでいる方は、
ぜひ読んでみてください。
かじとじむ のオススメ記事: